事務局からのお知らせ
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最近の食肉を巡る状勢について ■生食関係■
2013年09月18日
1.生食への厚労省の対応
(1)厚労省の部会開催(平成25年8月2日)
・・・・薬事・食品衛生審議会食肉衛生分科会
[1]牛レバー刺し提供を禁止したが、豚レバー刺しを提供している実態がある
[2]生食としている食肉の調査を実施する。
[3]平成25年度は、牛内臓について検討する。
[4]概ね3年を目処に他の食肉の種類毎に順次、検討を進める。
(2) 厚労省との情報交換(平成25年7月25日)
●8月2日の部会に先立ち、滝本・監視安全課長が話したいことがあるとの
ことで、厚労省に課長を訪ねた。
[1]生食・生レバー等について、一方的に規制する方向で物事を進めて
きたが、今後は 「如何にしたら衛生的に、食肉を提供出来るか、
食肉業界の意見も取り入れて検討して行く]
[2]部会などにも、必要に応じて食肉業界の意見を開陳してもらう
(3) 食肉業界としての意見
[1]今までと同様に、食肉の衛生的な加工・販売は食肉販売業者の使命
である。
[2]豚レバー刺しの提供は、とんでもない話であり、野生動物の販売と
ともに、今までもこれからも販売はしない。
2.生食(食肉衛生)マニュアル作成・配布
(1) 目的
●難解な厚労省基準を、やりやすく、解りやすく
(2) 業界上げての対応
[1]マニュアル作成のため(レバーのデータ収集も含む)に、費用が掛かる
のでこれを業界で負担
協賛金拠出団体 ・全肉連・全生活衛生連・ハム
・ソーセージ工業組合
・全国公取協 ・(社)東京食肉市場協会
・全農
ミートフーズ・東京芝浦臓器(株)
・大阪南港臓器(株)・芝浦臓器組合
[2]マニュアル製作には、公益社団・日本食肉協議会の助成を受けた
(3) 加熱試験等
[1]試験場所
ア、加熱試験・・・(社)食肉科学技術研究所
イ、レバーの洗浄実験・・・大阪府立大学
[2]監修 ※東京大学 関崎教授 ※大阪府立大 山崎教授
(4) 内容
[1]食肉衛生の基本
[2]食中毒の予防
[3]生食(ユッケの素材)の加工について
[4]食肉関連法規
3.生食用牛肉(殺菌)加工について
(1) 原料は部分肉でよい
厚労省基準・・「肉塊は、凍結させないものであって、衛生的に枝肉から切りだすこと」 となっているが、「すみやかに、機密性のある包装容器にいれ」となっており、
シュリンクパックされた部分肉は全てこれにあたる。
(2) 殺菌加熱方法・・・・・・温度測定はしなくとも良い
厚労省基準・・・・「肉塊の表面から1cm以上の深さを60℃で
2分間以上加熱する」
実験結果・・・・・表面から1㎝の温度測定は難しいので皆さんはしない。
(出来ない)
●最も容易な方法・・・下記方法で厚労省の条件はクリアーされる
[1]お湯を沸騰させる(沸騰水の温度は99℃以上になっている)
[2]肉塊(部分肉)をパックしたまま、投入する
[3]ぐり抜きにした「うちもも」2分の1(5㎏)の場合16分で火を止め、
2分間沸騰水に漬けておき、投入後18分で取り出し、氷水で急冷する。
・・・これがすべて
4.生食加工で注意すること
(1) 原材料について
[1]表面の脂肪を完全に除去する
[2]機密性のある容器(真空包装等)に入れて行う
[3]タレなどに漬けたものはダメ。 と畜後6日以内
(2) 温度条件
[1]投入時の原料(部分肉)は限りなく10℃に近い温度(4℃の冷蔵庫から10℃の冷蔵庫に前日移動)
[2]加熱殺菌後、こおり水につけて、1時間は冷やす(これでも、表面温度は20℃以上ある)。
この後4℃で冷蔵庫保管
(3) 沸騰水と肉塊の重量比
[1]5㎏の肉塊に、40㍑の沸騰水を使用。
[2]600gのブロック肉3本(1.8㎏)に20㍑の沸騰水を使用
この重量比より沸騰水の量が多いものが望ましい・・・肉塊を投入しても
95℃以上保持している
[3]厚労省の実験
300gのブロック肉に、10㍑の温湯(85℃)を使用して、10分の
加熱殺菌をすれば良いとしている。
(4) 衛生的な加工条件の確保
[1]生食加工と他の精肉加工との区分(マニュアル参照)
[2]専用の器具(ナイフ・まな板・作業台)の使用と、熱湯(83℃以上)での殺菌
[3]年に1回以上の微生物検査(25g・25検体)
[4]記録の保管
[5]保健所の講習受講
(5) 加熱殺菌済みの肉塊の細切・調味・・・・・開封して小分け、調味する
[1]加熱殺菌行程と細切・調味(調理)は、器具・設備は分けて備える
[2]定期的に商品と設備の微生物検査を実施
[3]ユッケの食材の提供・・・小分けパック等
5.生食関係これからの取り組み
(1) タタキの衛生加工マニュアルの製作と配布
[1]厚労省担当官立ち会いの下、タタキの加工殺菌実験実施
[2]食味試験結果は良好
[3]平成25年度末(26年3月)までに、作成配布予定。

(2) ユッケ・タタキ商品の賞味期限
[1]沸騰水による、加熱殺菌した生食用牛肉には、期限表示が必要
[2]今までの実験では、加熱殺菌・冷却保管後で各種検査(細菌・官能検査)の結果
20日以上の期限表示は可能である。
*それぞれ事情が違うので、20日として販売することが望ましい。
[3]焼肉協会(エスフーズ)では40日、北九州ミートセンターでは30日の賞味期限
(3) 生レバーの衛生処理データ収集
[1]大阪府立大 山崎教室
[2]食肉検査所 南大阪市場(松原)
6.消費税とその表示
(1)消費税変更予定
(当初の導入スケジュール)

7.消費税への業界の取り組み
■生鮮3団体(青果・魚・肉)で連絡協議会・・・・ロビー活動
当初は食品の消費増税反対、今は条件闘争
(1) 軽減税率の導入(2015年消費税10%の段階)
食品は据え置く
(2) 外税表示(本体価格)
2017年までの期限を撤廃し、永久に外税方式に出来ないか
■外税表示の意義
*小売り店頭価格・・・消費税が変わるたびに、置き札、POPの張り替えの要なし

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